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第75回研究例会

第75回研究例会「関敬吾の口承文芸観」が、11月17日に國學院大學渋谷キャンパス3号館4階 3401教室で開催されます。

下記のように、日本口承文芸学会・第75回研究例会を開催いたします。ご多忙な時期ですが、万障お繰り合わせのうえ、ぜひご参加くださいますようお願いいたします。

 

日時: 2018年11月17日(土)14:00~17:00
場所: 國學院大學渋谷キャンパス 3号館4階 3401教室

 

内容:
 今回は、関敬吾の口承文芸研究について取り上げます。まず、関敬吾と交流のあった野村敬子氏、高木史人氏から、関敬吾の研究姿勢や昔話観などのご発言をいただきます。また、ハンス=イェルク・ウタ―著『国際昔話話型カタログ 分類と文献目録』の翻訳をなさった加藤耕義氏から、関敬吾の昔話の分類に関するご発言をいただきます。会場では、関敬吾の直筆原稿などを展示いたしますので、そちらも是非ご覧ください。
 会員以外にも口承文芸に関心のある方のご参加も歓迎します。多くの方のご出席をお願い申し上げます。

※事前にメールと郵便で質問を受け付けます。質問(どなたへの質問かも)と氏名を明記の上、お送りくださいますようお願い申し上げます。

E-mail: info@ko-sho.org (件名に「第75回研究例会の質問」とお書きください。)
宛先:〒150-8440 東京都渋谷区東4-10-28
   國學院大學文学部 飯倉義之研究室 日本口承文芸学会事務局 第75回研究例会係

※いただいた質問は、質疑の時間にお答えいただきます。なお、時間に制約があるため、回答できないこともあります。予め御了承ください。
※当日も質問を受け付けます。会場入口に、質問用紙と回収箱を準備いたします。

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パネリスト
  野村敬子氏 「関敬吾」伝説
  高木史人氏  母と息子との民話
加藤耕義氏  関敬吾による日本昔話の分類
進行・司会
  関根綾子氏


パネリスト発言要旨

「『関敬吾』伝説」 野村敬子

 「私は今迄何をしてきたのだろう。時代がこんなに進んでいたのに」月面歩行のニュースを知った日、関敬吾先生は激しく苛立っておられた。科学者魂が刺激されて老大家に悲愴感さえみられた。見事な人物とはこういうお方なのだろうと、私は深く感じ入ったものであった。関先生は生涯における決着を見ない問題を抱ておられた。満州開拓青少年義勇軍の慰問袋に入れるべく昔話集を作られたが、その行方については知ることが叶わなかった。たまたま私の故郷が満蒙熱の高いことから、帰還者探しの依頼を受け、以来足繁く関先生をお訪ねするご縁を頂く。(私がパネリストである理由)
 関先生を巡っては伝説が多かった。東のライオンと綽名。民話という言葉を使って、柳田門下を追われたこと。等々。
 関先生の柳田との関わりを繙きつゝ、これら関敬吾伝説の発生について考える。

「母と息子との民話」 高木文人

 雛祭りに開かれた第53回研究例会(2007年)は「口承研究と女性」というシンポジウムだった。
(その概要は機関誌第31号にパネリスト間宮史子・藤久真菜・山田厳子の文章に拠られたい)。その中で藤久は、昔話の伝承者には女性が多いという一般理解をさらに検証するために伝承経路にまで検索の手を加えた。そうしてそこから「女性から男性へ、男性から女性へと」いう交差が多くあった。
(単純に男語り・女語りとはいかない)ことを示し、さらに「昔話研究の黎明期にあって、それに取り組み始めた人々――多くの場合は男性たちであった――が送り出した昔話集には、自らの母親や祖母からかつて聴いた昔話を紹介したものがしばしばあった」として、関敬吾の『島原半島民話集』をもその一つとして紹介していた。
今回は、藤久の論を受けて、関敬吾の民話の話型論や、歴史論、生物学などの基底に横たわる(かもしれない)女性と男性との伝承の交錯という課題を考えたいのだけれども、はたしてどうなりますやら……。

「関敬吾による日本昔話の分類」 加藤耕義

  関敬吾による日本昔話の分類整理は、大別して2種類あり、出版物によって4回示されている。
 1回目は『日本昔話集成』(1950-1958)である。これは分類カタログではないが、全6巻を編纂する中で行われた配置が、すなわち分類となって提示されている。
 2回目は『日本昔話集成』第6巻(1958)の末尾に付された「日本昔話の型」である。これは『日本昔話集成』の配置とは異なった分類であり、話型記述を伴う、いわゆる話型カタログである。
 3回目は"Types of Japanese Folktales"で、南山大学発行の"Asian Folklore Studies Vol. XXV" (1966)という雑誌に発表された話型カタログである。これは上記「日本昔話の型」を元に作られた英語の話型カタログである。
 4回目は『日本昔話大成』(1978-1980)全12巻である。これは『日本昔話集成』と同じ分類で、新話型が加えられている。
 つまり、「1回目と4回目」「2回目と3回目」が共通した2種類の分類である。発表では、この2種類の分類を比較しつつ、関敬吾の分類についての考え方について考察したい。

                                          

2018/9/29 掲載 : 例会委員会