1991年〜2000年
『口承文芸研究』1991年(第14号)〜 2000年(第23号)
1991年3月(第14号)
関 敬吾博士追悼特集
- 関 敬吾博士をしのぶ 臼田 甚五郎
- 座談会 関先生と口承文芸研究 小澤 俊夫・直江 広治・野村 純一・大林 太良(司会)
- 桃太郎のふるさと 伊藤 清司
- 「貧乏人と金持」・「大歳の客」(AT750A) 飯豊 道男
- 文化の中の音の世界 小島 美子
- 知里幸恵のユーカラ 萩中 美枝
- 中国の「都市新伝説」 —男と女の話を読む— 加藤 千代
- 神楽と神がかり —大元神楽をめぐって— 吉川 周平
- 文字と語り —口承文芸の直面する諸問題— 川田 順造
〔外国の研究動向〕
〔書評〕
1992年3月(第15号)
- 成巫儀礼と神口・神語り —宮古カンカカリヤーをめぐって— 福田 晃
- 奄美大島佐仁の八月踊り —歌と踊りをめぐる発話の民俗誌— 中原 ゆかり
- 「家」の盛衰 —「異人殺し」のフォークロア— 矢野 敬一
- 『継子の粟拾い』考 —AT480の視座から— 桜井 由美子
- 昔話「味噌買橋」の出自 —その翻案と受容の系譜— 櫻井 美紀
- 昔話「味噌買橋」をめぐって —そのヨーロッパにおける書承と口承— 竹原 威滋
- マンデの狩人の楽師 —平等主義的結社における誉め歌— 中村 雄祐
〔資料〕
〔研究動向〕
1993年3月(第16号)
- 中国の人を食う妖怪と日本の山姥 —逃走譚にみる両者の対応— 飯倉 照平
- 朝鮮の「手無し娘」のふるさと 松原 孝俊
- 鮭の村を訪れた少年 —北米北西沿岸インディアンの異界訪問譚— 益子 待也
- 徳之島の葬歌 —奄美の民俗音楽文化から— 酒井 正子
- 陰陽道系説話の展開と位相 小池 淳一
- 『遠野物語』の文献学的研究 石井 正己
〔研究動向〕
1994年3月(第17号)
特集・炭焼長者系説話の比較-比較研究はどこまで可能か
- 日本の「炭焼長者」に対応する中国の話について 馬場 英子
- 炭焼き長者譚と中国の類話 千野 明日香
- 朝鮮の「炭焼長者」系説話の比較研究序説 松原 孝俊
- 石見・中野「有久本」「新宅屋本」所載田植歌について 田中 瑩一
- 江戸期昔話絵本「舌切雀」ものについて —「雀の宿」(隠れ里)の変遷— 内ヶ﨑 有里子
- 「本読み」の民俗 —宮城県気仙沼地方の事例から— 川島 秀一
- メルゲンとプジの物語 —ナーナイの「英雄叙事詩」— 荻原 眞子
特集・研究の動向と課題
〔書評〕
- N・ルヴェル、D・レイ=ユルマン共編
Pour une anthropologie des voix 『声の人類学のために』 川田 順造 - 常光 徹著『学校の怪談』、関 一敏著『聖母の出現』、松山 巖著『うわさの遠近法』 高木 史人
1995年3月(第18号)
特集 語るいとなみ・書くいとなみ
- 「外国人花嫁」の民話について 野村 敬子
- 語り伝えと書き伝え —「歌津敵討ち」をめぐって— 川島 秀一
- 昔話叙述の方法 —小笠原謙吉と佐々木喜善— 石井 正己
- 「昔話の語り手」の一九〇〇年 —「数百話クラス」の語り手の誕生— 高木 史人
- ロシア英雄叙事詩・語りのテクニックの変質 熊野谷葉子
- 織田ステノの英雄叙事詩 奥田 統己
- 昔話「狐女房」を考える —口承が受容するものとしないもの— 中村とも子
- 独歌(ひとりうた)考 —ウソと鼻歌の始源をめぐる考察— 永池 健二
1996年3月(第19号)
- 音楽史学と民俗音楽学 —口承文芸研究の方法に関わって— 小島 美子
- 口承文学と文学史 藤井 貞和
- 九十年代の毛沢東伝説 加藤 千代
- 「三枚のお礼」の成立 剣持 弘子
- 「昔話ノート」を読む 高木 史人
- オオゲツヒメ・ウケモチノカミ神話考 斧原 孝守
- 能と「伝説」 石井 正己
アイヌ小特集
研究動向
〔書評〕
- 中川裕著『アイヌ語をフィールドワークする』 安田 千夏
- 野村純一著『日本の世間話』 山下 欣一
- 福田晃・渡邊昭五編『伝承文学とは何か』 常光 徹
- 吉沢和夫著『民話の心と現代』 櫻井 美紀
- モノとしての「話」〜佐藤健二『流言蜚語』から 重信 幸彦
- 説話・伝承学会編『説話-救いとしての死』 田中 宣一
1997年3月(第20号)
[討論]
[論文]
- クレオールの口承説話と口承説話のクレオール化 三原 幸久
- 「桃太郎」昔話と「ラーマ」物語
—比較研究における課題と"読みの可能性" 田森 雅一 - 『民俗採訪』における口承文芸の記述方法
—研究動向を踏まえた新たな可能性に向けて— 根岸 英之 - 人獣交渉史 —狼と塩— 菱川 晶子
[シンポジウム]
[書評]
- 高橋宣勝著『語られざるかぐや姫』 小嶋 菜温子
- 花部英雄著『西行伝承の世界』 川島 秀一
- 末次智著『琉球の王権と神話 —「おもろさうし」の研究—』 山下 欣一
- 福田晃・岩瀬博編『民話の原風景 —南島の伝承世界—』 小川 学夫
- 酒井正子著『奄美歌掛けのディアローグ —あそび・ウワサ・死』 卜田 隆嗣
- 荻原眞子著『北方諸民族の世界観』 中川 裕
1998年3月(第21号)
- ヴィルヘルム・グリムの再話法 —同時代人との比較のなかで— 小澤 俊夫
- ムラの歴史を語ること —仙台藩入谷村の「郷土誌」の発生— 川島 秀一
- 漁民の伝えた致富譚 —「蛸長者」の昔話— 大嶋 善孝
- 太陽を射たモグラ —比較の視点から— 山田 仁史
- 金太郎と民間説話 鈴木 菜穂
【シンポジウム=口承文芸と民俗芸能】
- 「口承文芸と民俗芸能」の地平 -シンポジウムの後・特集の前に— 小池 淳一
- はじまりのはなし —青森県下北半島における能舞起源譚の構成— 小池 淳一
- 延年芸能の声と話法 —中世寺院の芸能表現— 松尾 恒一
- いざなぎ流の祭文と祈祷儀礼 斎藤 英喜
【小特集=口承文芸の現在—日本】
- アイヌ —語り手たちの「思い」と口頭文芸研究 奥田 統己
- 遠野 —「語り部教室」を始めて一年半 佐藤 誠輔
- 真室川 —「ふるさと伝承館」と昔話 野村 敬子
- 東京 —故郷の語りから現代民話まで 松谷 みよ子
- 奈良 —大和の桃太郎と阿礼祭 斎藤 純
- 奄美 —シマウタ、この三〇余年間の変容 小川 学夫
【書評】
- 岩波講座『日本文学史』第15巻〜第17巻 三浦 佑之
- 臼田甚五郎著『口承文学大概』 武田 正
- 福田晃著『神話の中世』『神語り・昔語りの伝承世界』 大島 建彦
- 小林幸夫著『咄・雑談の伝承世界』 花部 英雄
- 橋本裕之著『王の舞の民俗学的研究』 保坂 達雄
- 稲田浩二著『昔話の源流』 松原 孝俊
- 松村賢一著『ケルトの古歌『ブランの航海』序鋭』 飯豊 道男
1999年3月(第22号)
- 『女子高生が語る不思議な話』について 久保 孝夫
- 英雄叙事詩における英雄とは
—サハ(ヤクート)の英雄叙事詩を考察して— 山下 宗久 - 「ンガラ」現代の名グリオ
—マリ共和国のマンデ糸グリオを中心に— 出水 慈子
【シンポジウム=物語以前・物語の誕生・物語の変容】
-朝鮮半島の口頭伝承研究の現段階—- はじめに 松原 孝俊
- 韓国盲僧の語り —1・物語以前— 永井 彰子
- 民衆運動と「烈士物語」の生成をめぐって —2・物語の誕生— 真鍋 祐子
- 沈清伝の変容とサヨヒメ説話との比較 —3・物語の変容— 矢野百合子
【小特集=口承文芸の現在—世界】
- ドイツ —現代における昔話の語り 間宮 史子
- アメリカ —ストリーテリング・フェスティバルを中心に 櫻井 美紀
- ロシア —ロシアの「ポスト・フォークロア」 熊野谷 葉子
- 中国 —北方農村の「語り物」の場合 井口 淳子
- インド —″生きられる伝統″としての口頭叙事詩
—その研究動向を中心に 田森 雅一
【書評】
2000年3月(第23号)
【特集 メディアの結節点としての〈口承〉】
- 研究者というメディア 高木 史人(PDF準備中)
- 鉄道、あるいは旧道 —地域の物語と身体の移動と— 野村 典彦
- 名所の成立と桃太郎神社 —観光地の伝説を読む— 斎藤 純
- 歌とメディア・イべント
—昭和戦前期における「口承」と地域アイデンティティ意識— 矢野 敬一 - 銃後の美談から
—総力線下の「世間」話・序説— 重信 幸彦 - 街頭紙芝居と教育紙芝居
—戦前戦中における紙芝居の展開— 姜 竣 - 暦注の昔話 —「仁王と賀王」と土用の由来— 小池 淳一
- 関東の小野小町伝承 小堀 光夫
- チョンジャマの形成 —田名のシヌグ祭の婚— 畠山 篤
- 死者との絶えざる対話 —沖永良都島のコイ(弔い泣き)と死者儀礼— 酒井 正子
- 三輪山神婚譚と中国の王朝始祖譚 千野明日香
【研究動向】
【書評】
2007/1/23 掲載 :