2001年〜2010年
『口承文芸研究』2001年(第24号)〜 2010年(第33号)
■2001年3月(第24号)
【シンポジウム・口承文芸の未来】
- シンボジウムで問われたことを考える 川田 順造
- 伝統的な語り(I) 花部 英雄
- 伝統的な語り(II) 川森 博司
- 現代の民話 米屋 陽一
- ストーリーテリング 藤野 時代
- 作業歌 岩井 正浩
- シンポジウム 「伝承が再生産する歴史—歴史の倫理性・政治性を問う」を振り返る 川田 順造
- サハリンアイヌの散文説話tuytahについて 丹菊 逸治
- 愚か村話の近代 —「解釈する言説」の変遷— 飯倉 義之
- 川を渡る静御前 内藤 浩誉
- パプアニューギニア・マダン市周辺村落におけるギターバンド悲歌の生成 諏訪淳一郎
- カザフ口承文芸における「ノガイ大系」の影響 —「オラクの詩」を題材として— 坂井 弘紀
- モンゴル国西部の英雄叙事詩の語りと芸能政策 —語りの声とことばのない歌— 上村 明
【小特集・研究者というメディア】
- 「研究者というメディア」の問題点 花部 英雄
- 「研究者というメディア」を読んで 常光 徹
- 昔話研究の成果を現場に活かす試み 小澤 俊夫
- 現代若者の〈口承〉世界をフィールドワークすること -『市川の伝承民話』の試みを例として— 根岸 英之
【書評】
- 小澤俊夫著『昔話の語法』 高橋 宣勝
- 川森博司著『日本昔話の構造と語り手』 石井 正己
- 内ヶ崎有里子著『江戸期昔話絵本の研究と資料』を褒む 上 笙一郎
- 内田順子著『宮古島狩俣の神歌—その継承と創成』 真下 厚
- 波照間永吉著『南島祭祀歌謡の研究』 末次 智
- 狩俣恵一著『南島歌謡の研究』を読む 田畑 千秋
2002年3月(第25号)
- グリム童話の世界 —「二人の旅職人」(一〇七)を中心に— 飯豊 道男
- 巫女がつくる歴史伝承 —阿武隈山地の小手姫伝説— 川島 秀一
- 法螺抜け伝承の考察 —法螺と呪宝— 斎藤 純
- 民俗学者としての市橋 鐸 —尾北の伝説研究史から— 高木 史人
- 語り手における昔話の受容 —土田 賢 媼の「どや昔」の場合— 杉浦 邦子
- 事故原因を事前に準備する言葉 —朝茶と事故との因果をとく話 野村 典彦
- 久高島イザイホーの神歌の分類 畠山 篤
- ユカラのヒロイン —英雄叙事詩の比較研究論— 荻原 眞子
- アイヌ口頭文芸のジャンル分類・・目的と方法 奥田 統己
- ホジェン族のイマカン(英雄叙事詩)について 于 暁飛
- うたわれる詩 —北西アルゼンチンのカーハのうたをめぐって 伊香 祝子
【シンポジウム・日本口承文芸と『近代』】
【追悼故本田安次氏・故大林太良氏】
【研究動向】
【書評】
- 松谷みよ子著『現代の民話』「あなたも語り手・わたしも語り手」から 重信 幸彦
- 石井正己著『遠野物語の誕生』『図説・遠野物語の世界』 藤井 貞和
- 小松和彦著『記憶する民俗社会』 小池 淳一
- 金賛會著『本地物語の比較研究 —日本と韓国の伝承から—』 依田 千百子
- 林晃平著『浦島伝説の研究』 三浦 佑之
2003年3月(第26号)
- 運命譚をめぐって —中国の事例を中心に— 鈴木 健之
- 昔話「幽霊の歌」にみる伝承の変容 伊藤 龍平
- 口承文芸の電子テキスト化について —『遠野物語』を事例として— 多比羅 拓
- カイゴロシをめぐる語り —新潟県東蒲原郡の事例より— 高塚 明恵
- 伝説にみる伝承主体の多重性 —熊野市波田須の徐福伝説をめぐって— 逵 志保
- フネによる「バカリジャン」(『セグ叙事詩』)をめぐって 出水 慈子
- チベットの「おむすびころりん」 斧原 孝守
【シンポジウム「書承から口承へ—伝承は滅びるか—」】
【シンポジウム「語られた異界」】
- 「語られた異界」に見るファンタジー性 —伝承から、創作から— 中村 とも子
- グリムのメルヒェン集と伝説集における異界 加藤 耕義
- 絵本に描かれた異界 沼賀 美奈子
- 【シンポジウム】口承文芸の調査・記録・活用・保存 花部 英雄
【書評】
- 石井正己著『遠野の民話と語り部』から 野村 純一
- 吉川祐子著『遠野昔話の民俗誌的研究』 石井 正己
- 兵藤裕己著『物語・オーラリィティ・共同体』 藤井 貞和
- 近藤直也著『「鬼子」論序説 —その民俗文化史的考察—』『鬼子と誕生餅 —初誕生儀礼の基礎的研究 九州・沖縄編』 白石 昭臣
2004年3月(第27号)
- 奥浄瑠璃『田村三代記』の古層 福田 晃
- 十五夜の歌 —餅と芋の昔話— 小林 幸夫
- 甲斐駿河における日蓮曼荼羅授与伝説の生成 荻野 裕子
- 伝説の主人公をモチーフにした地域文化振興事業
—千葉県市川市の「手児奈フェスティバル」に携わって— 根岸 英之 - 聞く「昔話」の文体 —『正部家ミヤ昔話集』編集・文字化作業から— 小林 美佐子
- 『遠野物語』における固有名詞についての一考察 青木 俊明
- 叙事詩イマカンに謡われる婿選び 于暁飛
- 日中「小鳥前生譚」の比較研究 立石 展大
【シンポジウム・地球環境と民話】
【シンポジウム・身体という場所—口承文芸研究の一視角—】
【シンポジウム・口承文芸の研究と継承—遠野からの発信】
【書評】
- 石井正己著『柳田国男と遠野物語』他 川森 博司
- 重信幸彦著『〈お話〉と家庭の近代』 野村 典彦
- 川島秀一著『漁撈伝承』 花部 英雄
- 邊恩田著『語り物の比較研究 韓国のパンソリ・巫歌と日本の語り物』 依田 千百子
2005年3月(第28号)
- 佐々木喜善論 ─口承文芸への逆襲― 石井 正己
- 伝説研究と菅江真澄 ―柳田國男『山島民譚集(一)』をめぐって― 小堀 光夫
- 田畑での口のかけ合い 藤久 真菜
- 『市川の伝承民話』における「世間話」「生活譚」再考 ―市川市国府台周辺の「軍隊にまつわる話」を通して― 根岸 英之
- 日本における「豆と藁と炭」の旅 久保 華誉
- 「フィッチャーの鳥」のテクスト変遷 ―『グリム童話集』『グリム童話選集』のテクスト分析― 間宮 史子
- 韓国の「徐福伝説」考 許 玩鍾
【シンポジウム・学校教育と口承文芸】
【ラウンドテーブル〈ボーダーを越えるシマウタ―奄美・沖縄・東京〉】
【シンポジウム・口承文芸の「発生」と「創造」】
【書評】
2006年3月(第29号)
- 韓国のパンソリ ―語りの様式と語り手― 邊 恩田
- 叙事詩の視覚的表現と受容について ―『ニーベルンゲンの歌』を中心に― 鴻森 大介
- English Fairy Tales の出版経緯と再話
―Joseph Jacobsの再話意図(1)― 藤本 朝巳 - 文化の生成と伝承 ―日本における「ロシア民謡」のケーススタディ― 森谷 理紗
- アイヌの物語における社会矛盾の解決 坂田 美奈子
- 文化圏を越える口承文芸 ―座頭昔話と早物語から― 下野 敏見
- 『神道集』とその矛盾 ―複数の「上野国」のために― 佐藤 喜久一郎
- 柳田國男と高見山の伝説 ―旅行と『日本傅説集』の影響― 齊藤 純
- 名所との決別としての「木思石語」 ―雑誌『旅と伝説』のあるき方― 野村 典彦
- 「名付け」と「知識」の妖怪現象 ―ケサランパサランあるいはテンサラバサラの一九七〇年代― 飯倉 義之
- 台湾のデパートの「鬼」 ―〈世間〉の位相、〈話〉の位相― 伊藤 龍平
【シンポジウム・怪異・妖怪の世界】
【シンポジウム・海外の口承文芸】
【研究動向】
【書評】
- 花部英雄著『漂泊する神と人』『昔話と呪歌』 松本 孝三
- 酒井正子著『沖縄・奄美 哭きうたの民族誌』 末次 智
- 杉浦邦子編著『土田賢媼の昔語り ── 口から耳へ耳から口へ』 石井 正己
- Hans-Jorg Uther The Types of International Folktales. A Classification
and Bibliography 間宮 史子
2007年3月(第30号)
- 「呪的逃走」 ―ユーラシアへの手がかり― 荻原 眞子
- 浄瑠璃における「クドキ」 細田 明宏
- 絶えゆくものの研究 ―「女川飯田口説」を中心に― 阿部 真貴
- 「起源」の刷新 ―「伝説」における「別伝」の創造と享受― 山田 厳子
- 北海道北広島市「大蛇神社」伝説の考察 阿部 敏夫
- 明治期の翻訳と昔話 ―『漁師とその妻』あるいは『金の魚』― 久保 華誉
- 雷神と山神の絆 百田 弥栄子
【第三十号記念特集】
- 〈声〉の採集者列伝 聞き手たちの時代 機関誌編集委員会
- 永遠の魂の探究者 ―知られざる小泉八雲の世界― 飯島 吉晴
- 実話という〈声〉 ―篠田鉱造の仕事― 重信 幸彦
- 「声」の発見―柳田国男と『遠野物語』― 石井 正己
- 「やろか水」伝説後日譚 ―「やろか雨」噂から「入鹿切」噂に至るまでの輻輳を記録した市橋鐸とその生徒たち― 高木 史人
- 日本における国際比較 ―関敬吾の企て― 大嶋 善孝
- 「話」という方法 ―小井川潤次郎と仲間たち― 小池 淳一
- 比較の夢 ―町田嘉章と「民謡」の録音・採譜― 真鍋 昌賢
- 声の〈向こう側〉から昔話を分類する ―武藤鉄城「羽後角館地方昔話集」の方法― 飯倉 義之
- 記述への模索と「態」への気づき ―岩倉市郎の聴き書きを考える― 藤久 真菜
- 聴く力 ―丸山久子の昔話調査― 山田 厳子
- 翻字と翻訳 ―鈴木棠三の昔話調査と国語教育― 伊藤 龍平
- 声の配達人 ―阿彦周宜『天楽丸口伝』の方法― 川島 秀一
【第三十号記念特集】
【シンポジウム/口承文芸研究のこれから】
- 三〇年前のぼくから三〇年後のあなたへ 高木 史人
- 思想としての口承文芸研究 ―関敬吾先生を巡って― 野村 純一
- フィールドの現状から考える 酒井 正子
- 研究対象としての「二次的な声の文化」 真鍋 昌賢
学会創立三十年によせて
- これからの課題 ―昔話内部の研究を― 小澤 俊夫
- 口承文芸の国際比較 伊藤 清司
- 日本口承文芸学会とわたし 飯倉 照平
- 学会発足の理念を大切に 佐々木 達司
- 口承文藝研究の現在 大島 建彦
- 中国山地をフィールドとした田植歌研究 田中 瑩一
【語りと報告】
【国際研究フォーラム】
【シンポジウム/伝説研究の新潮流】
- 「伝説研究の新潮流」へのいざない 小池 淳一
- 比較の視点から ―渡来人伝説をめぐって― 逵 志保
- 文芸の視点から ―静御前伝説において― 内藤 浩誉
- 歴史の視点から ―「山賊」の伝説とその「系図」の創出― 佐藤 喜久一郎
【シンポジウム/昔話を聴き続けて―『昔話採集家』・佐々木徳夫氏の半世紀から―】
【追悼】
【書評】
- 田中瑩一著『口承文芸の表現研究 昔話と田植歌』 高木 史人
- 田畑千秋著『南島口承文芸研究叙説』 真下 厚(PDF準備中)
- 堤邦彦・徳田和夫編『寺社縁起の文化学』 日沖 敦子
- 高木昌史編『柳田國男とヨーロッパ 口承文芸の東西』 加藤 耕義
2008年3月(第31号)
- 津軽の口説節の構造 笹森 建英
- 一九二〇~三〇年代のご詠歌伝承にみる「正調」の確立
―金剛流の成立過程をめぐって― 新堀 歓乃 - 鯖大師伝説の変容 関根 綾子
- 「聴耳」説話の形成と展開 ―中世期の説話を中心として― 佐藤 優
- ゆるやかな共有 ―石垣島川平の来訪神儀礼における「神口」― 澤井 真代
- アイヌ英雄叙事詩の戦闘場面 ―男の語りと女の語り― 遠藤 志保
- 「アルタイ讃歌」におけるアルタイ・エゼン 斯 琴
- 旧約聖書から題材をえたホジェン族口承文芸 于 暁飛
- 風呂小屋の精バンニク ―家の精ドモヴォイとの対比において― 山田 徹也
【シンポジウム/鬼と山人 ―『津軽口碑集』を基点として―】
【シンポジウム/口承研究と女性】
【シンポジウム/中国の正月風景】
【口承文芸研究からの現代批評】
【書評】
【CD評】『肥後の琵琶弾き 山鹿良之の世界~語りと神事~』
【追悼】
2009年3月(第32号)
- 伝承と集合的記憶 —予備的覚え書き— 川田 順造
- 折口信夫「三郷巷談」の意趣 小川 直之
- アイヌ英雄叙事詩成立過程の時間層 —ユカラにおけるイシカラ人の役割 中川 裕
- ねじ曲げられた機能主義 —説話研究に見る人類学理論導入の陥穽— 金子 毅
- 「終止符のない」昔話の叙述 —接続詞「さて」からみる昭和四十年代の叙述の交代— 小林 美佐子
- 石垣島川平の儀礼における歌・唱え言・発話 —習得過程での関連付け、実践をめぐる対照性と共通性に着目して— 澤井 真代
- 山梨県南部町の西行伝承 —西行舊跡系圖・富士見西行・西行峠の伝承の位相— 小堀 光夫
- アイヌ口承文芸にみられるエゾマツとトドマツ 安田 千夏
【シンポジウム/アイヌ・女性・口承文芸】
【シンポジウム/語りと伝説—三河の浄瑠璃姫伝承—】
【シンポジウム/声・歌・ことばの力】
- つたえる —佐々木喜善『聴耳草紙』の再発見— 石井 正己
- ロシア口承文芸学の課題と使命 齋藤 君子
- ウタということばのかたち —「聞き手」の登場をめぐって— 永池 健二
- はなす、聞く、そして、見る、触れる伝承 齊藤 純
【書評】
- 野村純一著『昔話の旅 語りの旅』 佐々木 達司
- 萩中美枝著『アイヌ文化への招待 —女性と口承文芸—』 藤井 貞和
- 日本口承文芸学会編『シリーズ ことばの世界』全四巻 川村 清志
- 姜竣著『紙芝居と〈不気味なもの〉たちの近代』 一柳 廣孝
- 川田耕著『隠された国家 —近世演劇にみる心の歴史—』 細井 明宏
2010年3月(第33号)
- うたとは何か再考 藤井 貞和
- 一九二〇〜三〇年代の日本における「仏教音楽」の成立とご詠歌 —「伝統の創出」を再考するために— 新堀 歓乃
- 方言研究と昔話研究 —髙田十郎の場合— 高木 史人
- イマカンの変遷について 于 暁飛
- 南島における陰陽道系説話の展開 小池 淳一
- Aomommomo(我つまびらかに述ぶ)について —アイヌ叙事詩ユカラの「一人称」叙述に寄せて— 荻原 眞子
- 日本の異類婚姻譚における人と動物のあいだの距離 —「変身」の視点から 中村 とも子
【シンポジウム/演じる戦争・観る聴く戦争】
- 「演じる戦争・観る聴く戦争」とは何だったのか —例会シンポジウムの試みから— 飯倉 義之
- 口承文芸から戦争を考える 野村 敬子
- 戦時下に響く「七つの声」二代目天中軒雲月の演じ方について 真鍋 昌賢
- パフォーマンスとしての戦争展示 —遊就館から考える 丸山 泰明
【シンポジウム/口承文芸研究と女性—研究史に根ざして】
【シンポジウム/ウタとカタリ—比較歌謡研究の現場から】
- ウタとカタリのあいだ 永池 健二
- 奄美の口承歌謡にみるウタ(短詩型歌謡)とカタリ(長詩型叙事歌謡)の位相—《烏賊曳き(いきゃびき・いちゃびち)》を例に— 酒井 正子
- 同音という指標 —中世芸能のウタイとコトバ— 藤田 隆則
- 歌われる詩と歌謡 —十九世紀のビルマの鼓歌の詩形式を例に— 井上 さゆり
【国際研究フォーラム】
【研究動向】
【書評】
- 妖怪たちは加速する —怪異・妖怪研究文献紹介 二〇〇七〜二〇〇九— 飯倉 義之
- 笹原亮二編『口頭伝承と文字文化 —文字の民俗学 声の歴史学—』
小池淳一編『民俗学的想像力』 野村 典彦 - 野村敬子著『語りの回廊 —「聴き耳」の五十年—』 高塚 さより
- 福田晃著『神語りの誕生 —折口学の深化をめざす—』 保坂 達雄