第79回研究例会
「東日本と西日本の西行伝承」
2021年3月13日(土)に Zoom で開催されます
下記のように、日本口承文芸学会・第79回研究例会を開催いたします。ご多忙な時期ですが、万障お繰り合わせのうえ、ぜひご参加くださいますようお願いいたします。
○日時:2021年3月13日(土)14時~17時
○Zoom(ズーム)によるオンライン形式(パソコンやスマートフォンでインターネットに接続するオンライン会議形式)で行います。
☆招待URLは、こちらの「会員限定ページ」に記載してあります。
※日本口承文芸学会員には「会員限定ページ」に入るためのユーザー名とパスワードを郵送済みです。
内容:
〇パネリストと発言テーマ
松本孝三氏 (日本口承文芸学会会員)
「「西行と熱田宮」「西行と亀」「いちご問答」などをめぐって」
小堀光夫氏(國學院大學兼任講師)
「東北地方の西行伝承「阿漕」と、「泡子」の話をめぐって」
司会進行
佐藤優氏(盛岡大学准教授)
〇パネリスト発言要旨
「西行と熱田宮」「西行と亀」「いちご問答」などをめぐって 松本孝三
実在とかけ離れ、敗北し退散する西行伝承は笑いに満ちているが、東と西といった視点から考えたことはこれまでほとんどない。東・西を象徴的に表現する「西行と熱田宮」は全国的に分布し、木遣歌・地搗歌・盆踊歌などでも古くから盛んに歌われてきた。一方、「西行と亀」も全国的によく知られる話であるが、沖縄本島には「山原と団亀」として伝えられ、しかもその主人公を西行とは言わないところに本土との大きな差異がある。またこの話は永井義憲氏が早くに指摘された職人サイギョウとも関わるようだが、彼らの活動自体は西日本では確認されていない。花部英雄氏の命名による「いちご問答」は東北の地に伝承され、また室町時代の連歌師・猪苗代兼載の幼少期の話としても知られるが、同話型は山陰の島根県にも多く伝承されている。西行伝承にはまだまだ未知で魅力的な領域があるようであり、できる限り具体例を示しながら西行伝承を取り巻く状況を考えて行ければと思う。
東北地方の西行伝承「阿漕」と、「泡子」の話をめぐって 小堀光夫
西行伝承の先行研究において、東日本と西日本の伝承を比較した研究はない。
東北地方の西行伝承「阿漕」では、西行が「あこぎ」の言葉の意味が分からず、それを恥じて、そこから引き返す西行戻しの伝承や、色話として語られている。一方、西日本の中国地方の大田植唄には「西行は阿漕が浦を立出る」の一節がみられる。
西日本の滋賀県米原市醒井では、西行の飲み残したお茶を飲んだ娘が懐妊し、生まれた子どもがその後、西行の歌で泡になる「泡子塚」の西行伝承がある。一方、東北地方の「泡子」の話では、お茶を飲み残す主人公は西行になっていない。
〇参加方法
次のいずれか(①か②)を選んでください。
①「会員限定ページ」に記載の “招待URL” をクリックしてください。
「会員限定ページ」のユーザー名とパスワードは、事務局から郵送した資料(例会案内)に記載してあります。
②学会事務局のメールアドレスに招待URLアドレスを返信するよう依頼のメールを送ってください。
事務局が個別に対応するため、時間がかかりますので、なるべくなら①の方法を取ってください。
《補足1》インターネットの環境が整っていない方は、同封の発言者の要約内容や資料をお読みになり、学会事務局あてにメールかファックスでご意見ご質問等寄せてください。当日即答はできませんが、後日できる範囲で返信します。
《補足2》周りの方にこのシンポジウムをお知らせになる際、「会員限定ページ」のユーザー名・パスワードについては伝えずに、「会員限定ページ」にてご自分が入手した「Zoomの招待URL、ミーティングID、パスコード」のみを通知して参加してもらってください。非会員の方々が直接学会事務局にメールしていただくと、先ほどと同じく時間がかかり、開催時間に間に合わないこともありますので、ご協力よろしくお願いいたします。ただし、各自が非会員を研究例会に招待する場合、通知したい人のみにメールで招待URLを送信し、不特定多数がアクセスできるようなホームページやブログなどに貼り付けることは絶対にしないでください。
《補足3》Zoomでスムーズな視聴をするためには、Zoomアプリのインストールを推奨します。既にインストール済みの方も、セキュリティ向上のため最新版に更新してください。また、Zoomを利用して研究例会に接続する際に発生する通信料は個人負担です。Wi-Fi(ワイファイ)や通信量制限がない契約以外で接続していますと、通信料が発生したり、パケット(データ通信量)を大きく消費しますのでご注意ください。
以上