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第80回研究例会

「シンポジウム:昔話の録音音源の保存と活用」

2021年10月30日(土)に Zoom で開催されます

下記のように、日本口承文芸学会・第80回研究例会を開催いたします。万障お繰り合わせのうえ、ぜひご参加くださいますようお願いいたします。

日時:2021年10月30日(土)14時~17時
○ZOOM(ズーム)によるオンライン形式(パソコンやスマートフォンでインターネットに接続するオンライン会議形式)で行います。

☆招待URLは、こちらの「会員限定ページ」に記載してあります。
※日本口承文芸学会員には「会員限定ページ」に入るためのユーザー名とパスワードを郵送済みです。


内容:


〇パネリストと発言テーマ

小池淳一氏(国立歴史民俗博物館教授)
「昔話録音音源の処理と発信―青森県史における口承文芸調査資料から―」

関根綾子氏(日本口承文芸学会会員)
「昔話音声資料の活用」

法橋 量氏(慶應義塾大学非常勤講師)
「ドイツにおける「語り」のアーカイヴ」

進行・司会
今井秀和氏(大東文化大学非常勤講師)

○パネリスト発言要旨

昔話録音音源の処理と発信―青森県史における口承文芸調査資料から―  小池淳一

 青森県史編さん事業(1996〜2018年)の民俗編に関する調査・執筆は県内外の民俗研究者の参加を得ておこなわれた。実地調査は、南部、下北、津軽の順番で進められたが、口承文芸に関しては、佐々木達司氏(1932〜2020)の発案で、その枠組みをはずし、県域全体の伝承者を広く掘り起こし、一次資料(生の「語り」)を柔軟に調査、録音する方針で資料蓄積が図られた。その成果は地域別の報告書(全6冊)に収録され、さらに『青森県史通史編3近現代・民俗』(2018年)において、DVDにより音声のみならず、映像・写真とともに収録した。
 今回の報告では、こうした経緯とその意図を確認し、録音された昔話のデータをどのように活用するか、その試行錯誤の過程を報告したい。併せて佐々木氏のもとに残された昔話音源をどのように今後、継承・活用していくかについて試案を提示したい。

 

昔話音声資料の活用  関根綾子

 かつては語りの場でなければ、昔話を聞くことは難しかった。しかし現在では、各地の語りをインターネットで公開する(東アジア民話データベース作成委員会「東アジア民話データベース」など)、語りのCDやDVDが収録されている昔話集が刊行されるなど、語りを聞くことができる。音声が収録された昔話集の初期のものとしては、『昔話研究資料叢書1 蒜山盆地の昔話』(稲田浩二・福田晃編、三弥井書店、1968年)がある。この叢書の第1期(1巻~12巻、1968年~1975年)には、昔話を収録したソノシートがついている。ただ、音声は方言資料として活用することを想定していたらしい。巻末で文字化しているが、その題名が「○○方言資料」ということからわかる。
 昔話の音声は保存されてきている。しかし、それを口承文芸としてどう活用するかについては議論されてこなかった。本発表では、昔話の音声資料の活用について、考えてみたい。

 

ドイツにおける「語り」のアーカイヴ  法橋 量

 現在、「語り・説話(ナラティヴ)」研究は、民俗学的口承文芸学にとどまらず、人文社会諸科学においても大きな広がりを見せている。その中で、採集した「語り」をどのような形で記録・保存しアーカイヴ化するかが重要な課題となっている。ドイツの口承文芸研究の文脈からいえば、例えば「メルヒェン百科事典」の編纂のような大規模な研究プロジェクトの副産物として口承文芸資料が蓄積されアーカイヴ化されるとともに、研究者個人の採集資料のアーカイヴ化も進んでいる。本発表では、ドイツにおけるこのような資料のアーカイヴ化の流れの中で、1970年代後半からハンブルク大学のA・レーマンによって進められてきた「日常の語り」アーカイヴにおいて、特に音声資料がどのようにアーカイヴ化されているのか、さらにハンブルク以外の民俗学研究機関による音声資料のアーカイヴ化の現状について俯瞰し、現在の口承文芸研究における音声アーカイヴの課題について考察したい。

〇参加方法

以下の①または②により、招待URLの情報を入手して、ZOOMで参加してください。

「会員限定ページ」に記載の “招待URL” をクリックしてください。

「会員限定ページ」のユーザー名とパスワードは、事務局から郵送した資料(研究例会案内)に記載してあります。

②学会事務局のメールアドレスに招待URLを返信するよう依頼のメールを送ってください。

ただ、個別対応のため時間がかかりますので、できるだけ①の方法でご参加ください。

《補足1》パネリストの用意した資料は当日ZOOM経由でダウンロードしてください。

《補足2》非会員の方にこのシンポジウムを周知なさる際、「会員限定ページ」のユーザー名・パスワードについては伝えずに、「会員限定ページ」にてご自分が入手した「ZOOMの招待URL、ミーティングID、パスコード」のみを通知して参加してもらってください。非会員の方々が直接学会事務局にメールを送信されると、上記したように時間がかかり、開催時間に間に合わないこともありますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。ただし、各自が非会員を研究例会に招待する場合、通知したい人のみにメールで招待URLを送信し、不特定多数がアクセスできるようなホームページやブログなどに貼り付けることは絶対にしないでください。

《補足3》ZOOMでスムーズな視聴をするためには、ZOOMアプリのインストールを推奨します。既にインストール済みの方も、セキュリティ向上のため最新版に更新してください。また、ZOOMを利用して研究例会に接続する際に発生する通信料は個人負担です。Wi-Fi(ワイファイ)や通信量制限がない契約以外で接続していますと、通信料が発生したり、パケット(データ通信量)を大きく消費しますのでご注意ください。



以上

2021/10/12 掲載 : 例会委員会