第86回研究例会
「シンポジウム 大人が聞く「むかしばなし」―地域の中で「むかしばなし」はどのように伝えられていくのか―」
2024年11月30日(土)に Zoom で開催されます
下記のように、日本口承文芸学会・第86回研究例会を開催いたします。万障お繰り合わせのうえ、ぜひご参加くださいますようお願いいたします。
○日時:2024年11月30日(土)14時00分~17時30分
○ZOOM(ズーム)によるオンライン形式(パソコンやスマートフォンでインターネットに接続するオンライン会議形式)で行います。
☆招待URLは、こちらの「会員限定ページ」に記載してあります。
※日本口承文芸学会員には「会員限定ページ」に入るためのユーザー名とパスワードを郵送済みです。
内容:
〇 登壇者
パネリスト 井上幸弘(NPO法人全国語りネットワーク理事長)
島津信子(みやぎ民話の会代表)
立石憲利(本学会会員、前日本民話の会会長、
岡山民俗学会名誉会長、岡山語りのネットワーク名誉会長)
根岸英之(市川民話の会事務局、本学会会員)
司会 和久津安史(研究例会委員、昔話伝説研究会会員)
(敬称略 あいうえお順)
〇 次第
14:00~14:15 「はじめに―問題の所在」 和久津安史
14:15~14:45 「市川民話の会の取り組みから」 根岸英之
14:45~15:15 「みやぎ民話の会」の歩みと課題 島津信子
休憩
15:20~15:50 「民話採訪して約七十年」 立石憲利
15:50~16:20 「ききみみの会」と「全日本語りネットワーク」の活動 井上幸弘
休憩
16:25~17:30 パネリストと司会でのデイスカッション
参加者とのデイスカッション
〇 発表概要
はじめに
和久津安史(研究例会委員、昔話伝説研究会会員)
かつて「むかしばなし」は祖父母から孫、父母から子へと語られ、家の中で伝わることが多くみられた。このような伝わり方が少なくなり、昔話に興味をもった大人により、「むかしばなし」を聞く、語る活動が行われ、民話の会や語り手のネットワークも形成されてきた。「むかしばなし」を伝え広めるため、語る人を増やす語り手の養成も行われている。
今回は、地域において、大人を対象として語る機会に焦点を当て、「むかしばなし」を伝える実践的な活動から今後の展開を考えたい。
「市川民話の会の取り組みから」
根岸英之(市川民話の会事務局、本学会会員)
市川民話の会は、1974(昭和49)年に、千葉県市川市の民話を古老から聴き取り、次世代に継承していくことを目的に発足した市民団体である。これまで、テープ起こし資料をまとめた資料集『市川の伝承民話』を第9集まで発行、子ども向けの再話本を3冊発行。年に一度、市川市と共催で「市川の民話のつどい」という大きな行事を実施、2024年度で47回を数える。近年は、真間の手児奈の伝承地の近くのカフェを借りて2カ月に一度、大人向けの語りの会を開催している。このほか、自治会、高齢者サロンなどに招かれて、大人対象に地域の民話を語る機会がある。小学校などからの要請で子どもに語りに行く機会もあるが、今回は、大人を対象に語る場合、どのような特質が見られるか考察したい。
「みやぎ民話の会」の歩みと課題
島津信子(みやぎ民話の会代表)
みやぎ民話の会は1975年に発足し、民話の採訪、記録、伝承を基本にして活動してきた。
「採訪」とは語り手を訪ねてその暮しや思いを含めた民話を聞くこと。「記録」は語り手ごとにまとめた「叢書」14集(16冊)等を発刊し、資料集や音声テープによる記録や有志によってCDやDVDに記録する活動などをしてきた。伝承の語り手の語りを直接聞いてもらう「みやぎ民話の学校」を開催して、参加者の語りの参考にしてもらい、会員自身も地域の各場で語ることにより「伝承」してきた。生活様式や価値観の違いで語りの情景を想像することが難しくなってきたが、伝承されてきた民話の持つ意味や力を再認識するにつれ、今後伝承するにはどうすればいいか模索中である。
「民話採訪して約七十年」
立石憲利(本学会会員、前日本民話の会会長、 岡山民俗学会名誉会長、岡山語りのネットワーク名誉会長)
岡山県立落合高校生のとき、歴史研究クラブを結成、岡山県北の蒜山で初めての民俗調査を行う。以来、在野で、今日まで約七十年間、民話を中心に民俗調査を行ってきた。
調査地は、岡山県を中心に、京都、兵庫、鳥取、島根の各府県が中心である。採録した民話は約一万話。出版数は約二五〇点。
研究者の方々は、伝承者から直接採録することから遠ざかっておられるように見受けられる。そんななかで、「伝承者こそ宝」と考え、一貫して採録を続けてきた。
口承文芸は、書承文芸ではなく、伝承者から直接聞くことが、最も大切なことではないだろうか。
「ききみみの会」と「全日本語りネットワーク」の活動
井上幸弘(NPO法人全国語りネットワーク理事長)
私はおもに山形市立図書館で子どもたちに山形のとんと昔、日本や外国の昔話を語る活動をしています。子どもに語るときは、方言をわかりやすい言葉に直したり、説明したりします。大人を対象にしたお話会としては、山形市立図書館で毎年12月に「方言で語る昔話の会」を行ったり、県の施設である「洗心庵」で春と秋の2回実施したりしています。
また私はNPO法人全日本語りネットワークの理事長をしています。2年に1度「全日本語りの祭り」を開催します。全国各地から参加者が集まり、昔話を語ったり、紙芝居を演じたりして交流しています。いろいろな「語り」と出会い、自分たちがこれまで行ってきた活動を振り返ったり、今後の活動に活かしたりする絶好の機会になっています。
〇 参加方法
以下の①または②により招待URLの情報を入手して、ZOOMで参加してください。
①「会員限定ページ」に記載の “招待URL” をクリックしてください。
「会員限定ページ」のユーザー名とパスワードは、事務局から郵送した資料(研究例会案内)に記載してあります。
②学会事務局のメールアドレスに招待URLを返信するよう依頼のメールを送ってください。
ただ、個別対応のため時間がかかりますので、できるだけ①の方法でご参加ください。
※パネリストの用意した資料は当日ZOOM経由でダウンロードしてください。
※非会員の方にこのシンポジウムを周知なさる際、「会員限定ページ」のユーザー名・パスワードについては伝えずに、「会員限定ページ」にてご自分が入手した「ZOOMの招待URL、ミーティングID、パスコード」のみを通知して参加してもらってください。非会員の方々が直接学会事務局にメールを送信されると、上記したように時間がかかり、開催時間に間に合わないこともありますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。ただし、各自が非会員を研究例会に招待する場合、通知したい人のみにメールで招待URLを送信し、不特定多数がアクセスできるようなホームページやブログ、SNSなどに貼り付けることは絶対にしないでください。
※ZOOMでスムーズな視聴をするためには、ZOOMアプリのインストールを推奨します。既にインストール済みの方も、セキュリティ向上のため最新版に更新してください。また、ZOOMを利用して研究例会に接続する際に発生する通信料は個人負担です。Wi-Fi(ワイファイ)や通信量制限がない契約以外で接続していますと、通信料が発生したり、パケット(データ通信量)を大きく消費しますのでご注意ください。